認知行動療法の生物学的基盤─特に不安障害のCBTの生物学的基盤

書誌事項

タイトル別名
  • Biological basis of cognitive behavior therapy in anxiety disorder
  • 認知行動療法の生物学的基盤 : 特に不安障害のCBTの生物学的基盤
  • ニンチ コウドウ リョウホウ ノ セイブツガクテキ キバン : トクニ フアン ショウガイ ノ CBT ノ セイブツガクテキ キバン

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抄録

不安障害に対しては薬物療法と共に,認知行動療法(CBT)が治療の選択肢にあるが,いずれも効果が高い一方で,恩恵に預かれない患者も多いなど,個人差が大きく,治療後にも再燃/再発がしばしば認められる。その個人差の背景には何らかの生物学的因子があるはずである。本稿では,その背景を,1つには繰り返しの知覚刺激を減弱する脳の感覚ゲート機構という脳の生理学的応答の違いから論じた。指標としたのは,事象関連電位P50である。強迫性障害を対象に測定したP50 は,脳内感覚ゲート機構の障害を示しており,病態生理に関連があることを示唆している。もう1つには,恐怖や不安の消去学習を,恐怖条件付けを用いた動物モデルから解説し,消去学習を促すためのcongnitive enhancer の可能性をD-cycloserine を代表例にして紹介する。

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