非定型抗精神病薬は統合失調症の認知機能を改善するか?─前臨床および臨床研究のエビデンス─

  • 住吉 太幹
    独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター臨床研究推進部

書誌事項

タイトル別名
  • Do atypical antipsychotic drugs enhance cognition in schizophrenia? -Preclinical and clinical evidence
  • 非定型抗精神病薬は統合失調症の認知機能を改善するか? : 前臨床および臨床研究のエビデンス
  • ヒテイケイ コウセイシンビョウヤク ワ トウゴウ シッチョウショウ ノ ニンチ キノウ オ カイゼン スル カ? : ゼン リンショウ オヨビ リンショウ ケンキュウ ノ エビデンス

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抄録

非定型抗精神病薬(atypical antipsychotic drugs,AAPDs)の統合失調症の認知機能障害(cognitive impairment in schizophrenia,CIS)への有効性については意見が分かれているが,一部の患者においては AAPDs 投与により特定の認知機能が向上する。また,基礎研究の分野では AAPDs の認知機能増強作用を支持する知見が多く,セロトニン受容体サブタイプへの比較的強い親和性や,代謝性グルタミン酸受容体を含む種々の受容体への作用が関連するとされる。AAPDs への反応についての患者の多様性,転帰を左右する認知機能領域,モデル動物を用いた CIS 改善に関連する神経生物学的基盤などのさらなる検討が今後の課題となろう。本シンポジウムでは,CIS 治療法の開発についての最新の知見が,イタリア,米国,日本の研究者により提示された。

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