日本における椀の発生と室町時代までの造形的展開 : 伝統的工芸品・椀に関する研究(2)

書誌事項

タイトル別名
  • The Origin and Development of WAN from its Origin to Muromachi Era : Study of Traditional Japanese Wooden Bowl (2)

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説明

本小論は、「伝統的工芸品・椀の意匠に関する研究(1)」に続いて、日本における椀の発生と歴史的発展過程に注目し、室町時代までの椀の造形的展開について、遺跡資料および絵画史料を手がかりとして、観察と解析を行ったものである。その結果、筆者は次の諸点を明らかにした。(1)日本における漆塗椀の原型は縄文時代に誕生し、弥生時代の轆轤技術、鉄器の導入を経て、挽物としての基本的な椀の制作技術がほぼ完成された。(2)飛鳥・奈良・平安時代には、大陸の食様式の導入ならびに主食副食分離の発展と対応してさまざまな形状の椀が制作され、現代の椀の造形文化がほぼ形成された。(3)鎌倉・室町時代に入ると、漆の塗分けや漆絵などの装飾技術が発達し、椀形状のバリエーションも一層豊かになった。桃山時代には、大陸の造形文化から独立した、日本固有の椀の造形文化が確立された。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 1989 (72), 67-74, 1989

    一般社団法人 日本デザイン学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680391102976
  • NII論文ID
    110008444151
  • DOI
    10.11247/jssdj.1989.67_1
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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