同種移植後のドナー型造血不全に対して同一ドナーよりブースター移植を実施した骨髄異形成症候群

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  • Booster transplantation for a MDS patient to improve poor graft function after allogeneic transplantation

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抄録

 症例は29歳,男性。MDS(RAEB-1)に対してHLA-DR血清一座不一致の父より同種末梢血幹細移植を行った。好中球>500/μLを17日目,血小板>20,000/μLは25日目に達したが,その後サイトメガロウイルス(CMV)抗原血症の合併を契機に汎血球減少を呈した。移植後2か月目のキメリズム解析で完全ドナー型を確認したが,移植6か月目より赤血球輸血依存となった。キメリズム解析では完全ドナー型を維持していたため,ドナー型造血不全と診断した。9か月目に前処置を行わずに同一ドナーの骨髄をブースター輸注したところ,血球は速やかに回復し,GVHDの悪化も認めなかった。以降,免疫抑制剤を漸減し中止した。ドナー型造血不全に対して骨髄をブースター輸注することで,GVHDの増悪なく造血回復が得られた。間葉系幹細胞を含む骨髄液を用いることで,骨髄微小環境の改善に寄与したと考えられた。

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参考文献 (12)*注記

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