造血細胞移植後における肝中心静脈閉塞症(SOS/VOD)の診断と治療

  • 菊田 敦
    福島県立医科大学小児腫瘍科 神戸大学病院腫瘍・血液内科
  • 藥師神 公和
    福島県立医科大学小児腫瘍科 神戸大学病院腫瘍・血液内科

書誌事項

タイトル別名
  • Diagnosis and Treatment of Sinusoidal obstruction syndrome (Veno-occlusive disease) after Haematopoietic cell transplantation

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説明

 肝中心静脈閉塞症(veno-occlusive disease,VOD)は類洞閉塞症候群(sinusoidal obstruction syndrome,SOS)としても知られており(以下SOS/VOD),造血細胞移植後合併症の一つで,重症の場合は多臓器不全を合併し80%以上の死亡率である。病態の主座は骨髄破壊的移植前処置による類洞内皮細胞の傷害と破綻による類洞閉塞である。いくつかのリスク因子に関しては知られているが,いまだ有効な予防法,治療法は確立しておらず,唯一デフィブロタイドの予防および治療効果が認められているが十分な効果とは言えない。また,臨床診断基準はほぼ確立しているが,予後評価に結び付く適切な重症度分類がなく,臨床における共通の基準が求められていた。本稿では遅発性のSOS/VODに対する診断基準と新たに導入された5段階の重症度分類について解説するとともに,国内の後方視的解析結果および現時点の治療法を中心に概説した。

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