北海道日高地方西部の静内川・新冠川における最終間氷期以降の段丘形成過程

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タイトル別名
  • Development of Marine and Fluvial Terraces Since the Last Interglacial along the Shizunai and Niikappu Rivers in the Western Hidaka District, Hokkaido
  • ホッカイドウ ヒダカ チホウ セイブ ノ シズナイガワ ニイカップガワ ニ オ

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抄録

静内川と新冠川に発達する段丘群を対比・編年し,各段丘め形成過程を明らかにした.それらに基づいて,最終間氷期以降の海面変化・気候変化のなかで段丘形成作用がいかに変化し,その結果どのような河川縦断面形が形成されたのかを検討した.<br> 河川縦断面形は,最終間氷期や後氷期の高海面・温暖期には,下流域で堆積が,中・上流域で下刻が行なわれて下に凸な大曲率の曲線となる.最終氷期前半(約8~4.5万年前)の海面低下・寒冷期には中・上流域で堆積が,下流域で側刻が行なわれて下に凸な小曲率の曲線となる.最終氷期後半(約3~1.5万年前)の海面低下・寒冷期には前半と異なり,中・上流域で側刻が,下流域で堆積が行なわれて下に凸な小曲率の曲線となる.また,約4.5~3万年前の海面の低位安定・相対的温暖期には河川全体で下刻が生じ,下流部分が下に凸なやや大曲率の曲線から,中・上流部分が下に凸な小曲率の曲線からなる河川縦断面形が形成される.このように両河川では,最終間氷期以降の海面変化,気候変化のなかで,河川区間ごと,時代ごとに異なる河川の堆積・侵食作用が行なわれて河川縦断面形が変化し,河成段丘が形成されたと考えられる.

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