伊勢原市田中地区における果樹栽培農家の多面的土地利用と新都市計画法

書誌事項

タイトル別名
  • Multi-Purpose Land Utilization of Fruit-Growing Farmers in Tanaka Area, Isehara City, and the New Urban Planning Act
  • イセハラシ タナカ チク ニ オケル カジュ サイバイ ノウカ ノ タメンテキ

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説明

伊勢原市旧伊勢原地区では,1970-1975年にかけて落葉果樹栽培農家の再編成が進行した.その結果,田中地区以外の後発的果樹栽培地区は,多くの農家が都市化の波に農業基盤を侵食され,非農業地域化していった.これに対して,集落と耕地の一部だけを市街化区域に編入された田中地区の果樹農家は,線引きによって生じた市街化区=域内農地の多面的な土地利用価値を活用して,1970年代初頭以降安定した不動産経営に着手し,農家経済の基盤を確立した.そのうえで,調整区:域内農地を中心に合理的な果樹複合経営と効率的な直販方式による農業を実現してきた.加えて財産的価値の高い樹木作物とその圃場を,集落ぐるみかつ団地形態で維持することによって,田中地区の農地・農業の存続性をより高いものにしている.結局,農業経営基盤が固く,営農意欲が高い農業集落に対して,新都市計画法に基づく線引きが市街化調整区域をより多く残すかたちで施行された場合,その集落は都市化の進行に対してむしろ倍旧の競争力を発揮することが,事例調査から明らかになった.

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