梅雨季の中国大陸上における降水帯の形成過程と前線構造

書誌事項

タイトル別名
  • Formation of a Rain Belt and the Structure of the Front during the Baiu Season on the Chinese Continent
  • バイウキ ノ チュウゴク タイリクジョウ ニ オケル コウスイタイ ノ ケイセ

この論文をさがす

抄録

東アジアの梅雨季 (6, 7月)における降水分布の日々変化を類型化し,タイプごとの降水帯の形成過程ならびに梅雨前線の構造について解析を行なった.降水帯は温度傾度を伴わない収束帯に対応する場合と,大気下層に出現した低温域に伴う温度傾度の比較的大きい前線に対応する場合とがある.前者の場合,総観規模低気圧の後面における北~西よりの乾燥した気流と南よりの多湿な気流とによる対流不安定性の生成が降水帯の形成に寄与していると考えられる.後者については,下層に現われた低温域により湿潤気流の対流不安定性が解消され,降水が発生していると考えられる.さらに,降水帯が華中・華北に形成される場合と華南に形成される場合とでは低温域の進入経路や前線面の傾き,あるいは前線の位置に対する相対的な降水分布などが異なる.南北の温度傾度が通常小さな中国大陸上では低温域の出現や総観規模低気圧通過後の収束の開始が降水帯形成のトリガーとなっていると考えられる.

収録刊行物

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ