下関漁港・商港における水産物流通の空間構造

書誌事項

タイトル別名
  • The Spatial Structure of Fishery Products Distribution: A Case Study of Shimonoseki Fishing Port and Shimonoseki Commercial Port
  • シモノセキ ギョコウ ショウコウ ニ オケル スイサンブツ リュウツウ ノ クウカン コウゾウ

この論文をさがす

抄録

本研究は,下関漁港・商港において,水産物流通の空間構造を解明することを目的とする.この際水産物輸入取扱を含めて,特に集出荷活動に注目して生産から消費の空間全体を検討する.下関漁港は1970年代以降水揚が減少し,漁港市場の集荷では搬入物が増加した.買受人の活動は周辺地域への分荷供給を行う「地廻り」に中心が移った.集出荷地域は周辺地域を中心にほぼ関東以西に広がる.下関商港では,東アジアを中心に貝類やフグなど特色ある輸入水産物を扱う.中継輸送を介して全国出荷する.活動で中心的役割を果たすのは水産物輸入業者である.しかし結節点に関係業者が集積する漁港の集出荷活動の場合と異なり,彼らは必ずしも下関に所在せず,下関の業者に業務を委託する場合もある.両港の活動は一部相互関係を持っが,両港に関わる流通展開は独立している.下関は特徴の異なる港湾,活動空間を並存する水産物流通の空間構造を形成せざるを得ない.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

参考文献 (38)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ