褥瘡発生率との関連からみた病院の褥瘡対策体制の評価指標の検討

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  • Quality indicators for pressure ulcer management systems at hospitals from the perspective of relationship to incidence

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皮膚排泄ケア認定看護師(Wound Ostomy Continence Nurse; WOCN)とその担当の看護管理者を対象に質問紙調査し,189病院分の回答について,褥瘡の発生率との関連から褥瘡対策体制の評価指標を検討した.<br> その結果,構造要件のうち褥瘡発生率に関連したのは,「褥瘡担当医師は褥瘡に関する十分な知識がある」「褥瘡対策担当看護管理者は大学を卒業している」「WOCNがスタッフへの集合教育の講義に慣れている」「スタッフ看護師にBIPAP(バイレベル式人工呼吸器)やチューブなどに伴う圧迫創の予防への認識がある」であり,褥瘡対策を担う人材評価の項目となると考えられた.また,「院長等からWOCNへの設備や手当などの提供」が褥瘡対策体制の環境整備の評価項目となることが示唆された.<br> 過程要件としては,経営部門,担当看護管理者,WOCN,OT/PT,リンクナース,スタッフナースの役割や機能の評価項目が関連した.Assessing Care of Vulnerable Elders Project Quality Index(ACOVEQI)のうち5項目が発生率に関連したが,何れもWOCNが所属する病院での実施率は高かった.WOCNが所属している病院に限定すると,多くのACOVEQIはすでに達成済みであり施設による差が少なく,ケアの最低基準を保証する指標にはなり得るが,目標や質評価指標としては妥当でないことが示唆された.<br> 成果要件としては,WOCNの仕事のやりがい感が関連し,評価項目になり得ると考えられた.

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