小児がん経験者の成人医療移行への準備状況に関する横断的実態調査

  • 石田 也寸志
    愛媛県立中央病院小児科 特定非営利活動 (NPO) 法人ハートリンクワーキングプロジェクト
  • 手束 真理
    愛媛県立中央病院小児科
  • 林 三枝
    特定非営利活動 (NPO) 法人ハートリンクワーキングプロジェクト
  • 井上 富美子
    NPOミルフィーユ小児がんフロンティアーズ

書誌事項

タイトル別名
  • Childhood cancer survivors’ readiness for adult-oriented long-term care in Japan: A cross-sectional survey

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説明

<p>小児がん経験者の成人期医療移行への準備状況や長期フォローアップ (FU) 支援ツールの周知状況について調査した.方法:研究デザインは,自記式の紙を媒体とした横断研究で,対象はハートリンク共済保険加入者/問い合わせした方またはミルフィーユ小児がんフロンティアーズ登録者で研究に同意した小児がん経験者である.結果:解析対象の小児がん経験者は,男性132人,女性110人で,調査時年齢の中央値は26歳(12歳~47歳) であった.「ある程度~十分わかる」 と答えたのは,病気説明では74%,病期・リスクと治療内容列挙では51~52%,晩期合併症リスクに関しては31%であり,生活習慣注意点や病院に連絡すべき場合についても45~49%であった.一方抗癌剤の種類は50%が,個々の抗癌剤使用や総量は80%が「全くわからない」と答えた.支援ツールについて「ある程度~十分わかる」と答えたのは,治療サマリーで43%,FU手帳の活用では18%,長期FUガイドラインの存在の周知は13%であった.それぞれの理解・周知度に関連していた因子の検討では,年少期発症/小児固形腫瘍(芽腫)や主観的健康度良好なものの認知が低く,高学歴のものは認知が高かった.結論:長期FU支援ツールの認知度は予想以上に低く,小児がん経験者でこれらの支援ツールの周知や活用は不十分である.年少期発症や低学歴では周知に特別の配慮が必要である.</p>

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