870. 北部九州日奈久層より産する前期白亜紀(中期アルビアン)浮遊性有孔虫化石

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タイトル別名
  • 870. AN EARLY CRETACEOUS (EARLY MIDDLE ALBIAN) PLANKTONIC FORAMINIFERAL FAUNA FROM THE HINAGU FORMATION OF NORTHERN KYUSHU, JAPAN
  • 北部九州日奈久層より産する前期白亜紀(中期アルビアン)浮遊性有孔虫化石〔英文〕
  • ホクブ キュウシュウヒ ナクソウ ヨリ サンスル ゼンキ ハクアキ チュ

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抄録

熊本県球磨川流域に分布する日奈久層の珪質泥岩をフッ化水素酸で処理したところ, 放散虫化石とともにかなり保存のよい浮遊性有孔虫化石群を得ることができた。それらは, Globigerinelloides barri (Bolli, Loeblich and Tappan), Hedbergella delrioensis (Carsey), H. planispira (Tappan), H. trocoidea (Gandolfi), Ticinella primula Luterbacherからなる。この群集はT. primulaとG. barriが共存することから中期アルビアン(初期白亜紀)の初期を示すものと考えられる。従来, 日奈久層からはアンモナイト化石が2種報告されており, それらにより日奈久層は初期アプチアンを示すと考えられていた。今回, 浮遊性有孔虫化石や放散虫化石によって示された地質時代は, それとは大きく食い違っている。一方, 日奈久層を不整合に覆うとされている八代層の地質時代は, アンモナイト化石により初期アルビアンの後期と考えられているが, 微化石はこの地層からは報告されていない。アンモナイト化石によって示される八代層の地質時代が正しいとすると, 八代層は日奈久層と同時異層であり, より浅海性の岩相を代表するものと考えざるをえない。

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