891. 秋田市笹岡層産貝形虫化石群集 : 堆積学的側面との関連性

書誌事項

タイトル別名
  • 891. FOSSIL OSTRACODE ASSEMBLAGES FROM THE PLIOCENE SASAOKA FORMATION, AKITA CITY, JAPAN : WITH REFERENCE TO SEDIMENTOLOGICAL ASPECTS
  • 秋田市笹岡層産貝形虫化石群集--堆積学的側面との関連性〔英文〕
  • アキタシ ササオカソウサン カイケイチュウ カセキ グンシュウ タイセキガクテ

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説明

秋田市東部に分布する笹岡層から71属216種の貝形虫化石を産出した。これらは極めて種多様度の高い群集を構成する。一般に現在日本近海, 及び鮮新-更新統から産する, 好冷性の種と, 北極周辺に現生するAcanthocythereis dunelmensis (Sars), Hemicythere emerginata (Sars), Elofsonella concinna (Jones), Palmenella limicola (Noman)などが卓越する。これらの寒流系種に加え, 黒潮影響下に生息する暖流系種が, いずれのサンプルにも, 数%程度含まれる。以上の貝形虫化石群集をQモードクラスター分析した結果4つのクラスター(A, B, C, D)が識別された。これをもとに笹岡層の堆積環境を推定した。その際, 化石として保存されるまでに受けた物理的影響, それによって生じた群集構造の変化を考慮するため, 堆積物の粒度分析を行ない, その結果と群集中の貝形虫殻のサイズ, 左殻と右殻の比率, 成体殻の割合, 種多様度・均衡度の変化を検討し, 改めて4つのクラスターを考察した。一般に, 物理的要因が貝形虫化石群集の分布に多大な影響を与えており, 堆積環境の解析にあたり, 貝形虫の生態学的側面のみならず, 堆積学的側面をも考慮にいれなければならない好事例を示す。

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