左側結腸・直腸癌手術における術中内視鏡検査の検討

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  • The efficacy of intraoperative colonoscopy in the treatment of left side colorectal cancer

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【目的】大腸癌症例の増加や手術手技の向上に伴い,器械吻合を伴う大腸癌手術症例は増加してきている。しかし,術後偶発症は患者のQOLを低下させるため,その対策が重要である。その対策として腸管切離,消化管吻合での偶発症を回避するため,当科では,左側結腸・直腸癌手術を行う症例に対して,術中に大腸内視鏡を挿入し観察を行っている。【対象】2006年1月〜2014年8月までに経験した左側結腸・直腸癌手術731例中570例(78.0%)に術中内視鏡検査を施行した。【結果】術中内視鏡検査で異常所見を認めた症例は570例中13例(2.3%)であった。最終的に縫合不全が認められたのは5例(38.5%)であった。13例の内訳は,吻合部粘膜のずれや色調変化3例,吻合部出血1例,リークテスト陽性例9例であった。吻合部粘膜のずれや色調変化の3例では,1例でdiverting stoma造設を施行,1例で再吻合を施行した。術後3例とも縫合不全を認めた。吻合部出血の1例は,クリッピングにて止血した。術後の出血はなかった。リークテスト陽性例の9例は,再吻合を4例に,ストーマ造設を3例に,吻合部補強のみを2例に施行した。術後縫合不全は2例に認めたが,保存的に治癒した。【結論】術中内視鏡検査で異常所見のある症例は縫合不全が高率にみられるため,再吻合やdiverting stoma造設や吻合部の補強などが必要である。

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