微孔膜限界電流値法によるイオン交換膜の動的輸率測定法

  • 須藤 雅夫
    Department of Materials Science and Chemical Engineering, Shizuoka University
  • 居波 永治
    Department of Materials Science and Chemical Engineering, Shizuoka University

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of Dynamic Transport Number in Ion-exchange Membrane by Limiting Current Method with Microhole Filter
  • ビコウマク ゲンカイ デンリュウチホウ ニ ヨル イオン コウカンマク ノ ド

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説明

Nafionの陽極側表面に微孔膜を合わせることにより, 境膜厚みを固定して限界電流値の測定を行い, カチオンの動的輸率を算出した.様々な測定件に対して限界電流値は以下のような影響を受けた.液境膜の定常状態保つためには電圧の走査速度は10mV/s以下にする必要があり, また膜の両側に濃度差を防ぐには3mV/s以上が必要であった.微孔膜の孔径については, 0.05μm以下になると空隙率も0.01以下になり微孔膜自身が抵抗として働いてしまった.逆に0.2μm以上になると膜の陽極側が律速であるという条件が満たされなくなった.また攪拌により拡散が乱れ膜が振動するために限界電流値が増加することが分かった.以上より限界電流法による動的輸率の測定には, 微孔膜孔径: 0.08μm, 走査速度: 5mV/sとして攪拌を行わない状態が最適条件であるという結論になった.この測定条件での結果, 共に外部溶液濃度増加に伴う副イオンの侵入により輸率は減少する傾向を示した.またこの結果を二相イオン輸送モデルにより考察することにより不均質度βは0.1~0.2となった.またアニオン収着量による不均質度は0.4と高い値を示したが, これはアニオン収着量ではイオンクラスターの空孔部が支配的になるのに対して, 動的輸率ではチャンネル部が支配的になるためだと考察できた.

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