口蓋裂・鼻口腔痩の鼻咽腔閉鎖機能におよぼす影響

  • 舘村 卓
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部
  • 原 久永
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部
  • 和田 健
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部
  • 佐藤 耕一
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部
  • 高 英保
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部
  • 森本 知花
    大阪大学歯学部附属病院顎口膣機能治療部

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Temporary Closure of Oronasal Fistula on Levator Veli Palatini Muscle Activity

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説明

鼻口腔痩の鼻咽腔閉鎖機能への影響について,鼻口腔痩を口蓋前方1/3に有する初回口蓋形成術後症例の中から,鼻咽腔閉鎖機能の良好な3例(VPC群)ならびに鼻咽腔閉鎖機能不全症を呈する2例(VPI群),計5例を対象に,口蓋帆挙筋活動を指標に検討した。実験は,鼻口腔痩を綿花で気密に閉鎖した場合と開放した場合のそれぞれにおいて,スピーチサンプル/Pω/を20回以上表出させ,発音開始時における筋電図積分波形ならびに口腔内圧最大値について分析した。口膣内圧は,鼻口腔痩を閉鎖した場合に,VPI群ならびにVPC群ともに上昇する傾向が認められた。一方,鼻口腔痩を閉鎖した揚合の口蓋帆挙筋活動には,VPI群では開放時と比較して有意の変化が認められなかったが,VPC群では有意に低下することが認められた。このことから,鼻咽腔閉鎖機能が良好な症例では,鼻口腔痩の開放閉鎖が鼻咽腔閉鎖機能に影響することが明らかとなり,鼻咽腔閉鎖機能の調節機構に鼻口腔痩を経て鼻腔に漏出する鼻腔1呼気流が組み込まれていることが明らかとなった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680428307200
  • NII論文ID
    130004586375
  • DOI
    10.11224/cleftpalate1976.20.2_33
  • ISSN
    03865185
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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