Vincristineによる催奇形実験
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- 礒谷 精彦
- 東京歯科大学大学院歯学研究科口腔外科学第二講座
書誌事項
- タイトル別名
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- Teratogenetic Study of Vincristine
- Relationship between facial malformations a nd cerebral malformations
- とくに顔面異常と脳異常との関係について
説明
顔面異常と脳異常とくにholoprosencephalyとの関係を明らかにしようと考え,妊娠7日より14日にわたる時期のラットにvincristine0.2mg/kg の単一腹腔内注射を行い,妊娠21日目に胎仔を摘出して観察し,次の結果を得た.<BR>妊娠9日6時間より10日0時間に至る間の投与群ではすべて死亡胚・胎仔であった.妊娠8日6時間より9日0時間の間の投与群における胎仔死亡率は28.2%で,これらの群における生存胎仔の61.4%に各種の先天異常が認められた.しかし,上記以外の時期における胎仔死亡率はきわめて低く,生存胎仔には異常が認められなかった.<BR>本研究で認められた外形異常の主体は,無頭症,外脳症ないし脳ヘルニア,小頭症または三角頭などの脳異常と,下顎低形成,鼻上顎低形成,上唇裂または上唇顎裂,耳低位,無眼症,小眼症などの顔面異常であり,他部異常の発生はきわめて低かった.これらのうち最も多く認められた異常は脳異常で,眼異常がこれに次ぎ,以下,下顎低形成,上唇裂,耳低位,鼻上顎低形成の順であった.<BR>上唇裂では片側裂が最も多く,正中唇裂がこれに次ぎ,両側裂が最も少なかった.上唇裂の合併異常としては眼異常と外脳症ないし脳ヘルニアが多く,小頭症または三角頭がこれに次いでいた.合併異常の発生率は片側裂が最も高く,正中裂がこれに次ぎ,また不完全裂より完全裂の方が高かった.ただし正中完全唇裂の合併異常発生率は最も高かった.下顎低形成を示す胎仔の68.2%に耳低位が認められ,また下顎低形成を示す胎f子の40.0%に耳低位と小頭症または三角頭が認められた.下顎低形成の合併異常としては脳異常が最も多く,次いで眼異常であった.holoprosencephalyには終脳の左右分化が全くみられないものと、わずかに分化を示すものとがあり,また嗅脳が左右分化を示さないものや発育不全を示すものがあった.このようなholoprosencephalyは小頭症または三角頭,耳頭症などに多く認められた.形成不全を示す眼組織は正常胎仔に比べて著しく接近していた.また下顎無形成ないし低形成と耳低位を示す耳頭症では一般に嗅脳の発育が悪かった.
収録刊行物
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- Journal of Japanese Cleft Palate Association
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Journal of Japanese Cleft Palate Association 10 (1), 9-31, 1985
Japanese Cleft Palate Association
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680429175168
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- NII論文ID
- 130004988237
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- ISSN
- 03865185
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可