両側口唇裂口蓋裂症例の当科における過去12年間の統計的観察

書誌事項

タイトル別名
  • Statistical Study of Bilateral Cleft Lip and/or Palate

この論文をさがす

説明

1982年1月から1993年12月までの12年間に当科にて両側の口唇裂手術を施行した口唇裂口蓋裂症例につて統計的観察を行い以下の結果を得た。<BR>1)両側口唇裂を有するものは,男子49人,女子16人の計65人で,全体の14.1%であった。<BR>2)口唇裂口蓋裂裂型分類では口唇顎口蓋裂が圧倒的に多く(80.0%),通常の口唇裂口蓋裂分類統計での値よりも多く認められた。<BR>3)口唇裂裂型分類では両側完全裂が過半数を占め(53.9%),男女別では男子に比べ女子では両側完全裂の出現率が高くなっていた。<BR>4)不全型口唇裂の破裂程度は,両側不全裂では左右とも上口唇約1/2程度までのものが過半数(54.5%)を占め,右完全左不全裂での不全側の破裂程度は左完全右不全裂よりも軽度であった。<BR>5)頭蓋顔面,心血管系などの合併異常は65人中13人,20.0%に認められた。裂型と合併異常は,素数では両側完全口唇裂を有する口唇顎口蓋裂に多く認められた。<BR>6)両側口唇裂に対する手術法は,両側同時手術が17人,片側ずつ2回に分けての手術が48人であった。最近では両側同時手術の頻度が増し,2次修正術を考慮し,上口唇に搬痕の少ないマンチェスター法に準じた直線法を用いることが多くなっていた。

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ