鏡映描写時における圧反射感度の変化 : 課題難易度の影響

書誌事項

タイトル別名
  • Change in baroreflex sensitivity during mirror drawing : Effect of task difficulty

説明

本実験では, 注意課題の典型である鏡映描写 (MD) を用い, 課題難易度の増加による能動的対処の増強が, 迷走神経活動の指標である, 圧反射感度 (BRS) に与える影響を検討した.<BR>本研究は二つの実験から構成された.両実験において, 心拍数 (HR), 収縮期血圧 (SBP), 拡張期血圧 (DBP) が計測され, BRSがシーケンス検索法により算出された.実験1では24名の被験者が, コンピュータ化された簡潔なMDを行った.その結果, HR, SBP, DBP, BRSに上昇が認められた.実験2では, 14名の被験者が2条件のMDを実施した.一方は周回時間, 逸脱の程度に制限を設けた条件で, 他方は制限の一切ない条件であった.HR, SBP, DBPの上昇は, 制限あり条件においていっそう顕著であった.BRSは制限なし条件においては増大したが, 制限あり条件では減少した.<BR>実験1では, 簡素なMDが, 本来心臓迷走神経活動を増大させることを明らかにした.これは, MDの注意を伴う性質に帰属される.実験2では, 能動的対処の強調により, 注意を伴う課題であるにもかかわらず, 心臓迷走神経活動が抑制された.これらの結果は, 課題の要求する認知的努力の量が, 心臓迷走神経活動の抑制に大きな影響をあたえることを示唆した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680434796544
  • NII論文ID
    130004624536
  • DOI
    10.5674/jjppp1983.20.233
  • ISSN
    02892405
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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