<b>ゴムにおけるカーボンブラック,およびシリカの分散構造解析 </b>

  • 加藤 淳
    京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 物質工学部門
  • 池田 裕子
    京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 物質工学部門

書誌事項

タイトル別名
  • <b>Analysis of Dispersed Structure of Carbon Black and </b><b>Silica in Natural Rubber </b>
  • ゴムにおけるカーボンブラック,およびシリカの分散構造解析
  • ゴム ニ オケル カーボンブラック,オヨビ シリカ ノ ブンサン コウゾウ カイセキ

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抄録

コンピュータートモグラフィーを結合させた透過型電子顕微鏡(以下,3D-TEM と略記,電子トモグラフィーとも呼称)を用いることにより,ゴムマトリクス中のナノフィラー凝集体の三次元(3D)像を再構築することができる。天然ゴム(NR)中のカーボンブラック(CB)とシリカの分散に関する3D-TEM 観察結果を示した。 CB 凝集体がさらに凝集して形成されたネットワーク構造を,その3D 像と加硫ゴムの物性とを組み合わせて解明した。一方,光透過性とフィラー充てん量との関係に関しては,疎水性シリカと親水性シリカを充てんした架橋天然ゴム(NR)で顕著に異なることを示した。疎水性シリカ充てん量が増加しても,前者のNR の光透過性はほとんど変化しなかった。これに対して,後者のNR では,光学異常が発生した。すなわち,親水性シリカの充てん量の増加に伴い,最初は光透過性は減少するが,再び,光透過性は増加した。そこで,3D-TEM を用いて,シリカネットワークを解析した。その結果から,その孤立鎖の長さの二乗と,その密度の積を用いた多重光散乱の式を提案,その式により,二種のシリカ充てんNR の光透過性の相違を明らかにした。

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