先天性頸部遺残軟骨の一例

DOI
  • 山﨑 一春
    秋田大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
  • 石川 和夫
    秋田大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of congenital cervical chondrocutaneous branchial remnant

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抄録

  先天性頸部遺残軟骨の 1 例を経験した。症例は 1 歳 1 か月の男児。生下時より左頸部に小結節があり徐々に増大してきた。外科的摘出を施行し良好な経過を得た。頸部の異所性遺残軟骨については1858年に最初に報告されている。その後さまざまな病名が付けられてきたが,近年‘cervical chondrocutaneous branchial remnants’という用語が定着してきている。和名も統一を図ることが必要であり,「先天性頸部遺残軟骨」がふさわしいと思われる。特徴として①男児に多く,②先天性,③頸部の中央または下 1/3 で胸鎖乳突筋の前方に存在する,④痛みはなく,紅斑や滲出液はないことがあげられている。また他の奇形と合併する率が高いことも報告されているため注意が必要であるが,本症例では明らかな他の奇形はみられなかった。

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