Speech discrimination test-factor and language development

Takahashi Mariko

doi:10.11374/shonijibi.33.237

語音聴取は裸耳聴力とよく相関するとされていたが，近年人工内耳装用例が増加するに従って，従来の相関と異なる印象が感じられるようになった。この現状を検討するため，121名を対象に語音明瞭度に影響を与える因子と語音明瞭度から影響を受ける因子について検討した。裸耳聴力との相関係数は r=0.13（p=0.15）と相関がみられなかったが，装用閾値では r=−0.58となり語音明瞭度との相関が認められた。語音明瞭度良好となる因子は，裸耳聴力90 dB 未満，装用閾値40 dB 未満，人工内耳装用であった。また人工内耳手術は42カ月未満の手術である場合に語音明瞭度が良好となる因子であることがわかった。さらに，語音明瞭度良好（60%以上）である場合，語彙，統語，発話明瞭度，言語発達も良好となる結果が得られた。言語の理解やコミュニケーションに関わる因子は多様であるが，その因子の一つとして，語音明瞭度の改善を目標にすることは，言語発達とコミュニケーション向上に大切であると考えられた。

Speech discrimination test-factor and language development

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