溶剤の蒸発速度

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タイトル別名
  • Evaporation of Solvents from Resin Solutions
  • ヨウザイ ノ ジョウハツ ソクド

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説明

1) 単一溶剤の室温付近における蒸発について検討した。Gardner, Langmuir-Knudsenの両式が成立することを認めた。<BR>2) 風速は大きな影響があり, 蒸発速度の小さい溶剤では, 蒸発量は風速に比例するが, 蒸発速度の大きい溶剤では, 風速が大となり, あるいは湿度が高くなると蒸発量と風速は比例しなくなる。これは蒸発潜熱による液面の冷却, 空気中の水分の凝縮によるものであろう。<BR>3) 樹脂 (アルキド, エチルセル口ース) 溶液からの蒸発においては, 蒸発初期 (低濃度域) においては蒸発量W (mg/cm2・rnin) は樹脂濃度にかかわらず一定の値を示した。この範囲はアルキドでは樹脂濃度60%以上までに達する。<BR>4) この範囲における蒸発量と風速の関係から, 樹脂溶液からの蒸発は, この領域では, 境膜一表面膜律速過程であると考える。この過程での蒸発量W (mg/cm2・min) は, エチルセル口ースの粘度を変えても大差はなかったが, アルキド (ヤシ油変性, 30%油長)-DOP混合物を不揮発分として用いたときはDOP含有量が大きくなるに従ってWが大となる。このことは表面膜の構造がWに大きな影響を持つことを示している。<BR>5) 上記の恒量蒸発過程が終ると, 濃度依存性が強く表われるようになるが, Blomが報告したような一次反応式形の蒸発過程が成立するような範囲は比較的短く, このような過程 (一次反応式形) は内部拡散律速段階へ移行する際の過渡的な過程であると考えられる。

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