前立腺癌末期患者に対する経蝶形骨洞

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タイトル別名
  • CLINICAL EFFECTS OF CHEMICAL HYPOPHYSECTOMY
  • 下垂体アルコールブロックの効果
  • Instillation of Ethanol into the Pituitary on Advanced Prostatic Carcinoma

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説明

Moricca の原法による下垂体内エタノール注入, 即ち下垂体アルコールブロックを6例の前立腺癌患者に施行した; 5例は1回, 1例は2回施行した. 6例全例が広範な骨転移による頑痛を認めた. 本法によるエタノール注入量は最高3本の穿刺針から総計1.6mlから2.4mlとし, 下垂体穿刺は一側鼻孔からトルコ鞍内に施行し, 針先はテレビ透視下に側面, 正面より確認した.<br>下垂体アルコールブロックの臨床効果は良好であつた. 除痛については, 完全除痛は3例に, 残りの3例には著明な疼痛緩和を認めた. 除痛は4カ月から16カ月続いた. 抗腫瘍効果については血清酸フォスファターゼ値で検討した. 術後, 一過性に上昇した酸フォスファターゼ値は4例において次第に著明に低下し, 1例においては正常化した. 重篤な副作用・合併症は認めていないが, 下垂体後葉機能不全に基づく尿崩症は高頻度に生じた. しかし, 最近はインドメサシンの使用により尿崩症の管理は楽となつた.<br>下垂体アルコールブロックは臨床状態の改善には効果的であるが, 抗腫瘍効果については今後の検討を要する.

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