脊髄損傷患者の尿道括約筋筋電図学的検討

  • 有門 克久
    北海道大学医学部泌尿器科学教室 美唄労災病院泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • ELECTROMYOGRAPHICAL STUDY OF THE URETHRAL SPHINCTER IN PARAPLEGIC PATIENTS
  • セキズイ ソンショウ カンジャ ノ ニョウドウ カツヤクキン キンデンズガクテ

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抄録

脊髄損傷患者の排尿障害時における尿道および肛門括約筋について筋電図学的に検討を行つた. (1) 尿道括約筋および肛門括約筋の平均は各々0.45±0.55 (mean±SD) mV, 0.37±0.48 (mean±SD) mVであり, 度数分布ではともにポアソン分布を示した. (2) 両括約筋活動電位は60%において並行していたが, 25%に完全分離, 15%に不完全分離が認められた. (3) 自排尿可能例における残尿と排尿時間の間には有意の相関を認めた. (4) 自排尿可能例の尿道括約筋活動電位と残尿および排尿時間との間にはともに有意の相関を認めた. (5) 肛門括約筋活動電位についても同様の検討を行つたが, 残尿, 排尿時間ともに有意の相関を認めなかつた. (6) 自排尿不可能群と自排尿可能群とにおける括約筋活動電位平均値について検討したところ尿道括約筋活動電位は自排尿不可能群では有意に高くなつていたが, 肛門括約筋活動電位は両群において有意の差を認めなかつた. (7) 尿道括約筋活動電位と脊損部位別による各群間に差があるか検討したところ, 頚椎, 胸椎, 腰椎損傷群の順に尿道括約筋活動電位は有意に高くなつていた.

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