腫瘤核出術を施行した Multilocular Cystic Nephroma の1例

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  • MULTILOCULAR CYSTIC NEPHROMA TREATED BY ENUCLEATION

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抄録

Multilocular cystic nephroma (MCN) は比較的まれな疾患であるが, 最近その報告は増加しつつある. 本疾患の病理発生学的事項などについては不明な点が多いが, 著者らは成人の multilocular cystic nephroma と診断された症例に対して良性腫瘍との観点から腫瘤の核出術を施行した. MCNではしばしば悪性病変との関連において臨床上問題となることがあり, 従来の報告ではMCNに対し術前に診断が不可能であったり, 悪性疾患との鑑別が困難であるとして腎摘されている症例が多い. しかしながらMCNはその特徴的な肉眼的形態より画像診断技術の発達した今日では術前の診断は必ずしも困難ではないと考えられる. またごくまれに悪性病変を伴うことがあるとされるが, MCNは本来良性疾患であり可能な限り腎保存的な治療を選択すべきと考える.

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