精嚢嚢状拡張症およびその分類について

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タイトル別名
  • STUDY OF CYSTIC DILATATION OF THE SEMINAL VESICLES AND ITS CLASSIFICATION

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説明

特異的な精嚢造影像をもつ3症例の経験から, これらをいわゆる精嚢嚢胞とは異なる独立した疾患と考え,『精嚢嚢状拡張症』と呼ぶと共に, 精嚢の嚢胞性疾患の臨床的な分類を試み, この面からその特徴について論じた.<br>自験例はいずれも不妊を主訴として来院し, 精液検査にて無精子症を, 睾丸生検にてほぼ正常の造精機能を示したいわゆる閉塞性無精子症としてとらえられた. それ故, 治療法として, それぞれ副睾丸精管吻合術, 人工精液瘤造設術, 逆行性の射精管の拡張が行なわれたが, 逆行性の射精管の拡張を施行した症例にのみ妊娠の成立をみた.<br>また,『精嚢嚢状拡張症』は, その精嚢造影像の特徴的な形態以外に, (1) 両側に変化を伴なうこと, (2) 嚢胞腎の合併を有すること, という2つの特徴により, 独立した疾患として分類されるべきものと考えられた.

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