症例 左室憩室と冠動脈-肺動脈異常交通症を有する連合弁膜症の1例

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タイトル別名
  • A case of combined valvular heart disease with left ventricular diverticulum and anomalous coronary artery-pulmonary artery communication

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説明

左室憩室と冠動脈-肺動脈異常交通症を有する連合弁膜症の1例を経験した.症例は52歳,男性.昭和58年11月,労作時の心不全症状のため当科を受診し,精査を目的に入院.現病歴,理学所見,胸部X線所見,心電図所見,心エコー図所見などから,僧帽弁狭窄兼閉鎖不全,大動脈弁閉鎖不全,右室拡大とそれに基づく三尖弁閉鎖不全が疑われ,心カテーテル検査では肺動脈楔入圧上昇(平均圧20mmHg),巨大左房,僧帽狭窄兼閉鎖不全(Sellers2/4°)大動脈弁閉鎖不全(Sellers1/4°),三尖弁閉鎖不全(Sellers2/4°) が確認された. 冠動脈造影では,左冠動脈前下行枝および左回旋枝の肺動脈との異常交通がみられ,左室造影では左室下壁後部に嚢状に突出した異常陰影がみられた.この陰影は心周期に応じてnormal contractionを示し,左室憩室と考えられた.<BR>左室憩室はしばしば心外膜,横隔膜,腹壁の欠損を伴うまれな心奇形である.本症例では冠動脈-肺動脈異常交通症もみられたがその他の奇形はなく,左室憩室の成因に興味がもたれた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 17 (7), 753-759, 1985

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680463361536
  • NII論文ID
    130004135466
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.17.7_753
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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