症例 低形成左前下行枝と発達した右冠動脈円錐枝をもつ1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case with hypoplastic left anterior descending coronary artery and developed conus branch

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説明

症例は68歳,男性.既往歴や家族歴に特記事項なし. 平成4年10月17日午前1時頃, 急に前胸部痛が出現し,当院救急センターを受診.心電図上I,aV1. でST上昇を認め, 心筋逸脱酵素も軽度上昇していたため,急性側壁心筋梗塞と診断した.喫煙20本/日,アルコール歴なし.保存的加療で合併症もなく経過し, 第32病日に心臓カテーテル, 冠動脈造影を施行した.左室造影では局所的な壁運動の低下は認めず,駆出率70%.冠動脈造影では左前下行枝の本幹は第三中隔枝の分枝直後で中断し,第一対角枝に90%狭窄を認め,発達した円錐枝が肺動脈の前方を回った後,前室間溝を下降し,これが第一中隔枝以降の左前下行枝相当の血管と考えられた.運動負荷心筋シンチにて虚血を認めなかったため,薬物により経過観察中である.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 29 (4), 313-317, 1997

    Japan Heart Foundation

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