症例 肺動脈弁嚢腫により生じた肺動脈弁狭窄症の1幼児例

書誌事項

タイトル別名
  • A childhood case of pulmonary stenosis due to pulmonary valvular cyst

この論文をさがす

説明

肺動脈弁に発生した嚢腫により肺動脈狭窄を生じた4歳の男児例を経験した.<BR>小児の原発性心臓腫瘍はきわめてまれな疾患であり,なかでも弁に発生した腫瘍の報告は少ない.<BR>われわれは,左第2肋間の収縮期雑音,心電図上の右室肥大,胸部X線写真での左第2弓の突出より,肺動脈弁狭窄症を疑っていた4歳男児で,断層心エコー図にて右肺動脈弁上部にcystic massを認め,心臓カテーテル・血管造影検査で,肺動脈狭窄と同部位の陰影欠損を確認し腫瘍性病変と考えて手術を施行した.<BR>手術の結果,弁組織と一致する壁構造を示す,左右の肺動脈弁の交連部にできた嚢腫を摘出した.<BR>肺動脈弁に発生した嚢腫の報告は本邦では初めてと思われ,文献的考察を含めて報告した.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 18 (4), 443-447, 1986

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ