研究 3時間冠血流遮断による虚血心筋の収縮機能の回復過程と塩化レボカルニチンの効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Recovery of dysfunction of long-term ischemic myocardium by reperfusion-Effects of levocarnitine chloride
説明
非虚血部および虚血部心筋内に一対の超音波クリスタルを慢性的に埋め込んだイヌの左冠状動脈回旋枝(LCX)を無麻酔下で3時間閉塞後再灌流した時の心血行動態,局所心筋収縮動態および血中ミオシン軽鎖IIレベルの変化に対する塩化レボカルニチン(LG80)の作用について検討し,以下の結果を得た.<BR>1)LG-80は再灌流後14日間における心拍教,左心室内圧およびdp/dtなどの心血行動態指標の変化に対して明らかな影響を及ぼさなかったが,虚血部心筋における収縮期左室壁肥厚率の回復に対しては再灌流後2日目までコントu一ルに比較して有意な促進作用を示し,それ以後の3日目から14日目においても有意差は認められなかったが回復過程を促進させる傾向を示した.2)LC-80は再灌流14日間までの血中ミオシン軽鎖IIの総流出量に対しては影響を及ぼさなかったが,この総流出量に対する2および3日目までの流出量の割合に対してはコントロールに比較すると有意に低値を示した.以上の実験結果から,LC-80は虚血心筋の収縮機能の回復を促進させるとともに,梗塞部心筋における筋原線維の崩壊に対しても保護する作用を有することが示唆された.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 23 (3), 249-254, 1991
Japan Heart Foundation
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680464645760
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- NII論文ID
- 130004412525
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- ISSN
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可