症例 Loeffer心内膜炎を主病像とし,好酸球性肺炎を併発したhypereosinophilic syndromeの1剖検例

書誌事項

タイトル別名
  • An autopsy case of hypereosinophilic syndrome complicated with Loeffler's endocarditis and eosinophilic pneumonia

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説明

53歳にて発病し4年の経過で死亡したLoeffler心内膜炎を主病像とする好酸球増多症の1剖検例を経験した.急性心筋炎による肺水腫で発病し,好酸球性胃腸炎も併発した.末梢血好酸球数は32,300/mm3まで上昇し原因は不明で,ステロイド剤にて正常値となった.心内膜心筋生検では心内膜肥厚と好酸球浸潤を伴う壁在血栓を認めた.20カ月に及ぶ末稍血上での寛解期の後,好酸球性肺炎にて再発.その後ステロイド剤の増量にもかかわらず突発的な好酸球数の上昇があり,好酸球性肺炎を繰り返した.心不全も徐々に増悪し発病4年後に心原性ショックにて死亡した.剖検では心内膜は3mmに肥厚し弾性線維の増生もみられた.心筋細胞は広範に脱落し膠原線維に置換されていた.肺は問質線維化と心不全所見を示した.本例では,末稍血にて好酸球増多のない20カ月の問に心電図所見の悪化がみられ,心筋局所での好酸球浸潤とそれによる心筋細胞障害の可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 27 (11), 1000-1005, 1995

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680464878336
  • NII論文ID
    130004413386
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.27.11_1000
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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