症例 東北地方における大動脈縮窄複合および大動脈弓離断症の最近10年間の外科治療の進歩

書誌事項

タイトル別名
  • The surgical treatment of coarctation of the aorta and interrupted aortic arch in Tohoku district

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説明

東北6県の12施設で経験した過去10年間の大動脈縮窄複合と大動脈弓離断症例を前半と後半の5年ずつに分け外科治療の面から検討した.大動脈縮窄複合の初回手術成績は前半51例中手術死25例,遠隔死4例で全体としての死亡率は58%であったが,後半は60例中手術死12例遠隔死3例で死亡率は33%と低下した.手術時年齢は前半の平均14.5カ月に対し後半は5.2カ月で低下を認めた.1カ月未満例は前半は全例死亡したが,後半は18例中死亡例は2例のみで成績の向上をみた.術式では前半は端々吻合が19例と最も多く,後半は鎖骨下動脈フラップ法が41例と多かった.肺動脈絞扼術は前半18例(35%),後半37例(62%)と後半で増加した.二期的根治手術の平均年齢は前半の3歳1カ月から後半は9.8カ月と低下した.<BR>大動脈弓離断症では前半に1カ月未満2例,1カ月以上9例の11例に手術施行したが手術生存は3例でいずれも1歳以上であった.後半の手術施行例は12例で1カ月未満の7例中2例,1カ月以上の5例中3例が生存した.後半の術式は一期根治手術が3例(2例死亡),8例が始息手術(4例死亡)であった.二期的根治手術は4例中3例に行った(1例死亡).

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 19 (9), 1075-1082, 1987

    Japan Heart Foundation

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