A case of aortic stenosis complicated with ring like subendocardial infarction diagnosed by Dual SPECT (<SUP>99m</SUP>Tc-PYP+<SUP>201</SUP>TlCl)

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  • 症例 Dual SPECT(<SUP>99m</SUP>Tc-PYP+<SUP>201</SUP>TlCl)にて全周性心内膜下梗塞を診断し得た大動脈弁狭窄症の1症例

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59歳の男性で高度の大動脈弁狭窄症に基づく急性肺水腫にて入院した.入院直後,torsad ed epointes型心室頻拍から心室細動発作を頻回に生じ,直流通電と大動脈バルーンパンピングにて急性期を治療し得た.心電図でII,III,aVFおよびV4からV6にかけて著明なST低下と心筋逸脱酵素の著明な上昇を認めたので,心筋梗塞合併の有無を確認するため,血行動態が安定した第9病日に201TlClと99mTc-PYPの同時収集によるDualSPECTを施行した.Tlシンチグラフィでは心尖部の集積欠損を,PYPシンチグラフィでは胸壁と心尖部への強い集積と全周性の心内膜側に偏位した淡い集積を認め,全周性心内膜下梗塞の合併と直流通電による前胸壁ならびに心尖部傷害と診断した.第56病日の冠動脈造影では左右冠動脈とも有意狭窄はみられなかった.正常冠動脈で全周性の心内膜下梗塞を惹起した原因として,著明な心筋肥大による心筋の酸素需要と供給の不均衡による可能性が高いと考えられた.心電図変化や血清酵素のみでは診断困難で予後不良とされている全周性心内膜下梗塞をDual SPECTにより生前に確定診断し得た貴重な1例と思われた.

Journal

  • Shinzo

    Shinzo 22 (6), 690-695, 1990

    Japan Heart Foundation

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