症例 連合弁膜症を合併した先天性骨形成不全症の1例

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タイトル別名
  • A case of ostcogensis impecfecta with combined valvular disease

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抄録

先天性骨形成不全症は,青色輩膜,骨の脆弱性,難聴を臨床的特徴とする遺伝性結合織疾患である.心血管系の異常を合併した症例の報告は少なく,本邦においては自験例を含めて3例にすぎない.<BR>症例は50歳,男性.46歳時より労作時の息切れが出現し,49歳時当科入院.数回の骨折歴および青色輩膜を有することより本症と診断した.心臓カテーテル検査によりSellersIII&の大動脈弁閉鎖不全症を認めたが,心拡大も軽度であり外来で経過観察としeた.50歳になり(昭和60年2月),数回の両心不全をきたすようになり同年5月再入院.心拡大著明,肺うっ血を認め,頻脈性心房細動であった.超音波断層検査にて腱索断裂による後尖逸脱に伴う僧帽弁閉鎖不全症を認めた.その誘因としては大動脈弁閉鎖不全症の進展および原疾患に伴う組織の脆弱性が関与しているものと考えられた.本例のごとく,単一弁膜症から連合弁膜症への進展が確認された症例の報告は欧米にもみられず,本症に合併する弁膜症の発症,進展を考える上で興味ある症例と考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 19 (11), 1365-1372, 1987

    Japan Heart Foundation

被引用文献 (1)*注記

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