ノート 上室性頻拍性不整脈に対するATPの効果

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タイトル別名
  • The effects of adenosine-5'-triphosphate on supraventriculer tachyarrhythmias

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説明

Adenosine-5'-triphosphate(以下ATPと略す)は,1950年代よリヨーロツパにおいて,発作性上室性頻拍症(以下PSVTと略す)に対して用いられており,最近では,Grecoらにより幼児のPSVTに対して,第1選択薬として使用されている.ところが,本邦におけるATPのPSVTに対する使用報告例は少ない.最近,われわれは心電図上幅の狭いQRS波を持った.1分以上の規則正しい上室性頻拍性不整脈の19例について,第1選択薬として,ATP10~40mg急速静注を行った.14例はWPW症候群を含むPSVTで,ATP投与により17回の頻拍発作の中で16回頻拍発作は停止し,PSVTの停止率は94.1%であった.ほかの5例は心虜粗動の2:1AV伝導でPSVTと鑑別困難であったが,ATP静注により心房粗動と判明した.副作用については,特に重篤なものはなかった.ATPはPSVTの停止およびPSVTと心房粗動の2:1AV伝導との鑑別に有用と思われた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 19 (1), 104-109, 1987

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680465952256
  • NII論文ID
    130004411685
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.19.1_104
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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