Cefmetazoleの感受性ディスク法に関する検討

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タイトル別名
  • A STUDY ON THE DISC SENSITIVITY TEST FOR CEFMETAZOLE
  • Cefmetazole ノ カンジュセイ ディスクホウ ニ カンスル ケントウ

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抄録

Cefmetazole (CMZ) は, 三共株式会社において開発されたセフェム骨格の7α 位にメトキシ基を有するセファマイシン系の抗生物質である。その作用は殺菌的であり, β-Lactamaseに強い抵抗性を持ち, β-Lactamase産生菌に対しても非産生菌に対すると同様の抗菌力を有するだけでなく, セファロスポリン系抗生物質に比べ, 特にグラム陰性桿菌 (大腸菌, 肺炎桿菌, インドール陽性, 陰性変形菌), 嫌気性菌 (バクテロイデス等) に強い抗菌力を示すと報告1~4) されている。又, 臨床的にもこれらの基礎データを反映して優れた臨床効果が認められており, 新しいセフェム系抗生物質の二重盲検法による薬効比較試験においても, 従来基準薬として多用されてきたCefazolin (CEZ) に代つて本剤が対照薬として採用される場合も多くなつてきている。<BR>今回われわれは, 臨床分離菌株検査としてのディスク法による本剤に対する感受性測定法を検討したので報告する。<BR>CMZのように新しく出現した薬剤の臨床的な感受性, 耐性に相当する最小発育阻止濃度 (MIC) 値の基準は全く不明で, 暫定的には推定される体液中有効濃度との関連から一応の基準が論ぜられたとしても, 最終的には多くの起炎菌について得たMIC値と, 薬剤投与による臨床効果との集計の上に将来定められるべきものであり, 従つて現時点においては適当に規定された実験条件でのMIC値を推定することが臨床的感受性検査の目的と考えられる。この目的に沿うように, すでに金沢5~8) により設定されたMIC値の推定を目的とするSingle-disc法による各種化学療法剤の感受性測定法についてたびたび報告して来たが, CMZについても本法が適用されるかどうかを検討した。

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