第15回臨床不整脈研究会 ATP投与により室房伝導が消失した潜在性WPW症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of concealed WPW syndrome with elimination of ventriculo-atrial conduction over the accessory pathway by ATP injection

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説明

症例は42歳男性.発作性上室性頻拍症の治療目的に入院となった.服用中のピルジカイニド150mgは,検査日の3日前より中止した.右室心尖部連続刺激時における最早期興奮部位は左側後側壁であった.180bpm以上の刺激頻度でのみ副伝導路(AP)を介する室房伝導を認め,ATP10mg急速静注によりAPを介する室房伝導は消失した.右室心尖部期外刺激では基本周期600ms,連結期480ms時のみAPを介する室房伝導を認めた.イソプロテレノール下における室房伝導曲線では基本周期500ms連結期480~440msでfast pathway・20~380msでslow pathway・360~300msでAP・280~200msでslow pathwayを介する伝導を認めた.マッピング中にAP伝導が消失したため,後日再検査となった.このときの室房伝導曲線は全てAPを介しており,ATP20mg急速静注にてもAPの伝導は消失しなかった.初回入院時と再入院時の違いはピルジカイニド投与の有無だけであり,抗不整脈薬の作用が遷延した可能性は否定できない.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 35 (Supplement4), 104-110, 2003

    Japan Heart Foundation

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680467119744
  • NII論文ID
    130004136409
  • DOI
    10.11281/shinzo1969.35.supplement4_104
  • ISSN
    05864488
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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