小児眼感染症に対するClindamycin-2-palmitateの臨床的検討

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  • Clinical evaluation of clindamycin-2-palmitate for ophthalmic infections of children

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抄録

Clindamycin-2-palmitate (以下, CLDM-palm.) は, Clindamycin (7 (S) chloro-7-deoxylincomycin以下, CLDM) とPalmitic acidの水溶性エステルである。本剤はin vitroでは抗菌作用をもたないが, in vivoで加水分解されてCLDM baseとして抗菌力を発揮する。<BR>CLDMの抗菌スペクトルは, Lincomycin (以下, LCM) と同様に, グラム陽性球菌に作用するが, 抗菌力はLCMの2~4倍強力であり, 吸収, 排泄にもすぐれていることが知られている。<BR>CLDM-palm.は, ピンク色のチェリー・ミントの芳香味ある穎粒で, 60ml容量の瓶中に249含有しており, これに用時45mlの水を加えて全量60mlにしたとき, 1mlあたりCLDM base 15mg (力価) のシロップ剤となる。<BR>本シロップ剤の小児眼感染症に対する臨床応用として, 先に私共は基礎的ならびに臨床的検討を加えてその成績を報告している。それによれば, 本剤経ロ投与後の眼内移行は, CLDMと類似し, LCMより多少すぐれた移行がみられた。臨床応用としては, 1カ月から7才にわたる小児の急性結膜炎, 外麦粒腫, 内麦粒腫, 眼瞼膿瘍, 新生児涙嚢炎および全眼球炎の症例に, 1日10mg/kgの投与量で内服させて69%の有効率がえられている。<BR>今回は, 1日投与量を15~25mg/kgに増量して, さらに本剤の臨床効果を検討する機会をえたので, その成績を簡単に報告する。<BR>まず本剤の抗菌作用の実験成績から述べる。

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