ST-T wave and ventricular arrhythmias

  • Shirnizu Wataru
    Division of Cardiology, Department of Internal Medicines
  • Aiba Takeshi
    Department of Cardiovascular Dynamics, Research Institute National Cardiovascular Center
  • Kamakura Shiro
    Division of Cardiology, Department of Internal Medicines

Bibliographic Information

Other Title
  • 第39回理論心電図研究会 ST-T波と心室性不整脈

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Description

ST-T波は,QRS波直後または一部これに重複するJ波,これに引き続くST部分およびT波から構成される再分極過程を反映する波形である.ST-T波の成因には心室筋各部位の活動電位勾配が関与するが,特に心外膜(Epi)細胞から,活動電位持続時間(APD)の長いM細胞,さらに心内膜(Endo)細胞にかけての貫壁性電位勾配が重要である.ST部分とT波(後期再分極)の異常による代表的疾患はQT延長症候群(LQTS)である.動脈灌流左室心筋切片を用いたLQTSモデルによる成績から,Torsade de Pointesの第1拍目の心室期外収縮はM細胞または心内膜側Purkinje細胞を起源とする早期後脱分極からの撃発活動を機序とし,2発目以降は,M細胞APDの著明な延長に基づく貫壁性再分極時間のバラツキの増大を基質とするreentryを機序とすると考えられる.一方,J波(早期再分極)の異常による代表的疾患はBrugada症候群であり,ST上昇には,右室Epi細胞における一過性外向きK+電流(Ito)に関連した第1相notchが関係する.すなわち,Itoや他の外向き電流が増加,または内向き電流が減少した場合に,Epi細胞のnotchはさらに深くなりdomeが消失するが,Endo細胞ではこのような変化は起こらないため,Epi細胞-Endo細胞間で大きな電位勾配が生じSTが上昇する.心室細動の第1拍目の心室期外収縮は,近接するEpi細胞領域にdomeが消失する細胞とdomeが保たれる細胞を認め,両Epi細胞間で再分極時間のバラツキが増大し,phase 2 reentryを機序として発生すると考えられる.

Journal

  • Shinzo

    Shinzo 37 (6), 523-529, 2005

    Japan Heart Foundation

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