研究 心周期急変時の活動電位変化と収縮力変化 期外収縮後収縮力増強の機序について

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タイトル別名
  • Relationship between the premature action potential and postextrasystolic potentiation.

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説明

期外収縮後収縮力増強(PEP)が早期収縮の活動電位変化で説明できるか否かを知るため,イヌ心室筋標本を用い,早期収縮の活動電位プラトー相の延長度(ΔPD)と代償性休止期後の収縮力増強度(ΔPT)の関係を検討した.〔K〕0=5.9mMでは試験刺激が早期であるほどΔPDは増し同時にΔPTも増大した.ΔPDとΔPTは直線関係にあり,ΔPDによってCa-influxが増し,それがPEPを招くとする説を支持した.<br>しかし〔K〕0=1.2mMあるいはイソプロテレノール(IP)下では試験刺激の早期性を増してもΔPDの増大は軽度でかえって負になることも多かったにもかかわらずΔPTは存続し,ΔPDとΔPTの間に一定の関係はみられず,ΔPDが負の場合でもPEPが生じた.したがってPEPが早期収縮のプラトー延長によるCa-influxの増量によるとする説は完全でないと結論された.またIP下でpseudo-postextrasystolic depressionを認めた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 7 (14), 1597-1605, 1975

    Japan Heart Foundation

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