外科領域における術後創感染と抗生物質

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タイトル別名
  • Postoperative wound infections and first-choice antibiotics in surgical diseases
  • ゲカ リョウイキ ニ オケル ジュツゴ ソウカンセン ト コウセイ ブッシツ

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抄録

消毒法を考案したイギリスの外科医LISTERの見出した“外科手術後の創感染症は, 空気中および手術器具に付着した細菌にある”という事実は, 現在でも立派に通用するものであるにも拘らず, 多種類の抗生物質が使用可能となつた今日においても, なお外科手術後の創感染は決して皆無とはなつていないようである。その予防対策としての抗生物質の濫用は, 本邦における抗生物質生産量を世界第1位と押し上げてしまつた。その結果, さらに日々新らしい抗生物質の開発に躍起となる悪循環に陥つている。このようにして挺生した新抗生物質が次々と臨床的に試用され, その結果から効果を判断されて来ているが, 臨床における効果の優劣を判定することは, きわめて困難なことが多い。<BR>今回, 新らしく開発されたセファロスポリン系抗生物質の臨床試験め一環として,「術後創感染症比較試験研究会」が発足したが, われわれは, その試験施行前に, 今日における本邦の術後創感染症の現状把握が最も大切な条件と考え, 当教室および関連病院における最近3年間の術後創感染症の発生数と, それらの予防対策として現在頻用されている抗生物質名の調査をおこなつた。

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