症例 特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症(IHSS)の手術

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Treatment of Indiopathic Hypertrophic Subaortic Stenosis (IHSS)

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説明

NYHA第皿度で左室大動脈圧較差が152mmHgを示した12歳男子のIHSS症例に対し経大動脈心室中隔心筋切除術を施行した.術後心電図上左脚ブロックを残したが左室大動脈圧較差・僧帽弁閉鎖不全・臨床症状はいずれも完全に消失した.<BR>本邦において,これまでは行われたIHSSに対する手術では右室側心室中隔心筋切除術が最も多いが,術後に高頻度に圧差が残存している.これに対し経大動脈心室中隔切除術では施行された数は少ないが殆ど完全に圧差が消失している.IHSSにおける左室流出路狭窄の形成に僧帽弁前尖の異常な動きが関与しているという最近の知見をも考え合わせ,IHSSに対する手術としては経大動脈心室中隔心筋切除術がfirst choiceであると考える.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 8 (1), 94-102, 1976

    Japan Heart Foundation

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