書誌事項
- タイトル別名
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- CLINICAL EVALUATION OF SULBACTAM/AMPICILLIN IN CHILDREN
説明
SulbactamとAmpicillin の配合剤である注射用Sulbactam/Ampicillin (SBT/ABPC)の有効性と安全性について, 生後5カ月から12歳の男児9例, 女児15例の計24例を対象として検討し, 次のような結論を得た。<BR>1.本剤30mg/kg, 30分かけての点滴静注, 又はOne shot静注による吸収排泄試験では, 点滴静注における血中濃度のPeak値はABPCが48.8μg/ml, SBTが35.3μg/mlであり, 血中半減期はABPCが45.6分, SBTが52.8分であった。又, 尿中回収率は6時間でABPCが45.9%, SBTが64.4%であった。<BR>One shot静注における最高血中濃度はABPCが48.5μg/ml, SBTが25.7μg/mlであり, 血中半減期はABPCが34.8分, SBTが45.0分であった。尿中回収率は6時間でABPCが50.6%, SBTが69.8%であった。<BR>2.気管支肺炎14例, 扁桃炎4例, 急性上気道炎1例, 顎下リンパ節炎1例, 蜂窩織炎1例, 腸炎1例, 腎孟腎炎1例, 膀胱炎1例に対し, 本剤を1日投与量として, 88.2~133.3mg/kg静注又は点滴静注により投与したところ, 臨床効果は著効17例, 有効7例で, 有効率は100%であつた。<BR>3.臨床的副作用は認められず, 1例に軽度の好酸球増多, 1例にGOT, GPTの上昇を認めただけであった。<BR>4.本剤のβ-actamase高度産生株に対する接種菌量106CFU/mlにおけるMIC分布は, Staphylococcus aureus 1株に対して3.13μg/ml, Brahamella catarralis 5株に対しては, 0.10μg/mI 2株, 0.20μg/ml 3株, Haemophilus parainfluenzaeの1株に対しては, 3.13μg/mlであった。<BR>5.本剤は小児科領域の細菌感染症に対して, 広い適用範囲を持つABPCの特性にSBTのβ-Lactamase阻害作用を合せ持つことにより優れた抗菌力を示し, 安全性も高く, 有用な薬剤であると考える。
収録刊行物
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- The Japanese Journal of Antibiotics
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The Japanese Journal of Antibiotics 42 (3), 675-685, 1989
公益財団法人 日本感染症医薬品協会