ベロトキシン産生大腸菌O-157を含む感染性腸炎原因菌の薬剤感受性パターン

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タイトル別名
  • THE DRUG SUSCEPTIBILITY PATTERN OF THE PRESUMED ETIOLOGIC AGENTS OF INFECTIOUS ENTERITIS INCLUDING VEROTOXIN-PRODUCING ESCHERICHIA COLI O-157

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抄録

1996年7月以降に検出したO-157を含むVerotoxin-producing Escherichia coli (VTEC), Salmonella spp., Vibrio parahaemolyticus及びCampylobacter jejuni subsp. jejuniの薬剤感受性パターンなどを検討して,以下の結果を得た。<BR>1. VTECにはTetracycline (TC) 及びAmpicillin (ABPC) 高度耐性株が存在していた。そして, VTECに対する最小発育阻止濃度 (MIC) は一部の薬剤においては好気的条件下と嫌気的条件下では大きく異なっていた。すなわち,両条件下におけるMIC-RangeはChloramphenicol (CP) 1.56~3.13μg/ml, 0.78~1.56μg/ml; TC 1.56~>100μg/ml, 0.78~>100μg/ml; Minocy-cline (MINO) 1.56~12.5μg/ml, 0.78~3.13μg/ml; Kanamycin (KM) 3.13~6.25μg/ml, 25~100μg/ml; Fosfomycin (FOM) 3.13~25μg/ml, 0.78~6.25μg/ml; Norfloxacin (NFLX)≤0.025~0.2μg/ml,≤0.025~0.2μg/ml; ABPC 1.56~>100μg/ml, 0.78~>100μg/ml; Cefaclor (CCL)<BR>1.56~25μg/ml, 1.56~12.5μg/mlであり,嫌気的条件下におけるMICは,CP及びTetracy-c1ines (TCs) は1管差 (2倍) 程度,FOMは2管差 (4倍) 程度低いものの, NFLX, ABPC, CCLの変動幅は少なく, KMのMICは高い値を示した。<BR>2. Salmonella spp.のCP, TC, MINO高度耐性株,及びNFLX中程度耐性株が存在した。<BR>3. C.jejuni subsp. jejuniにはTC耐性株,及びNFLXの低感受性または耐性株の割合が高かった。<BR>4. V. parahaemolyticus及びC. jejuni subsp. jejuniに対するABPCとCCLのMICは耐性域に分布していた。<BR>5. 文献検索から判明した糞便中濃度は,MINO, KM, FOM, NFLXは除菌効果が期待できる濃度であったが, ABPCとCCLの濃度は極めて低く, 両薬剤感性株のMICを越えていなかった。

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