周産期におけるカルバペネム系抗菌薬パニペネム・ベタミプロンの治療効果

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  • STUDY ON THE THERAPEUTIC EFFECT OFPANIPENEM/BETAMIPRON ON PERINATAL INFECTION IN PREGNANT WOMEN

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抄録

注射用カルバペネム系抗菌薬パニペネム・ベタミブロン (Panipenem/Betamipron, PAPM/BP) の周産期妊産婦細菌感染症症例に対する治療効果の検討を行い, 以下の成績を得た。<BR>総投与症例41例のうち, 投薬違反症例 (1日1回投与) 1例, 感染症状不明確3例, 臨床検査未実施3例の合わせて7例を除く34例を評価対象とした。投与方法は, 本剤1回0.5gを1日2~3回点滴静注, 3~14日間投与であった。委員会判定による臨床効果は79.4% (27/34) の有効率であった。細菌学的効果は, 27例で評価可能で, 菌消失率 (菌消失例+菌交代例) が77.8% (21/27) で, 61株中49株 (80.3%) が消失した。副作用としては, 安全性評価例41例中1例で, 点滴静注中に, 軽度の頭痛・悪心が投与開始日より投与終了日直後まで認められ, 投与終了翌日には, すみやかに消失した。臨床検査値異常は, 41例中1例で, 軽度のGOT, GPT, LDHの上昇が認められ, 投与終了後回復したが, 併用薬の影響も考えられた。以上の成績から, PAPM/BPは, 周産期妊産婦の細菌感染症に有用な薬剤と考えられるが, 特に安全性の確認のためには, 妊産婦における体内動態を含め, さらに症例の検討が必要であると考えられる。

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