尿路感染症分離菌に対する経口並びに注射用抗菌薬の抗菌力比較(第17報1995年)

書誌事項

タイトル別名
  • COMPARATIVE STUDIES ON ACTIVITIES OF ANTIMICROBIAL AGENTS AGAINST CAUSATIVE ORGANISMS ISOLATED FROM PATIENTS WITH URINARY TRACT INFECTIONS (1995)
  • I. SUSCEPTIBILITY DISTRIBUTION
  • その1. 感受性について

抄録

1995年6月から翌年5月までの間に全国11施設において,尿路感染症と診断された患者から分離された菌株を供試し, それらの各種抗菌薬に対する感受性を測定した。尿路感染症患者から分離された菌の内訳は, グラム陽性菌が29.8%であり, その約42%はEnterococcus faecalisが占めていた。グラム陰性菌は70.2%であり, 最も多く分離されたのがEscherichia coliであった。これらの菌に対する抗菌薬の効果をみるとE. faecalisに対してはAmpicillin (ABPC), Imipe-nem (IPM) の抗菌力が最も強く, ついでVancomycin (VCM), Piperacillin (PIPC) の順であった。Staphylococcus amusに対して最も強い抗菌力を示したのはVCMで,ついでArbekacin (ABK), Minocycline (MINO) が良好であったが,他の薬剤の抗菌力は弱かった。これらの3薬剤はMRSAに対しても同等の抗菌力を示した。Staphylococcus epidermidisに対する抗菌力はABKが最も強く, ついでMINOが良好であった。94年度に成績の良かったセフェム系薬剤のMIC90は, 94年度の2~16μg/mlに対し95年度は8~128μg/mlであった。Streptococcus aga-lactiaeに対してはGentamicin (GM)を除きいずれの薬剤も優れた抗菌力を示し, MICが4μg/ml以上を示す菌株はほとんどみられなかった。Citrobacter freundiiに対する抗菌力はIPMが最も強く, ついでGMが強かった。Enterobacter cloacaeに対してもIPMの抗菌力が最も強く1μg/mlですべての菌株の発育を阻止したが, その他の薬剤ではMINOとTosufioxacin (TFLX) を除き抗菌力は弱かった。特にペニシリン系, セフェム系薬剤の抗菌力は弱く, ほとんどの薬剤のMIC90は256μg/ml以上であった。E. coliに対しては, ペニシリン系薬剤を除くほとんどの薬剤が良好な抗菌力を示した。Klebsiella pneumoniaeに対してもペニシリン系薬剤を除き優れた抗菌力を示した。特にCarumonam (CRMN)の抗菌力が最も強く,0.125μg/ml以下で53株すべての発育を阻止した。K. pneumoniaeに対する抗菌力を94年度の成績と比較すると, いずれの薬剤でも95年度の成績が良好であった。Proteus mirabilisに対する抗菌力はABPCとMINOを除き全般的に良好であり, また94年度にキノロン系薬剤でみられた耐性株(MIC≥256μg/ml)もみられなかった。Pseudomonas aeruginosaに対する抗菌力は全般的に弱く, 最も強かったIPMでもMIC90の値は8μg/mlであった。Serratia marcescensに対しても全般的に抗菌力は弱く, MIC90でみるとIPMが2μg/ml, CRMNが8μg/mlを示した以外は, すべて16μg/ml以上であった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680473616640
  • NII論文ID
    130004395797
  • DOI
    10.11553/antibiotics1968b.50.219
  • COI
    1:STN:280:DyaK1c3js1altw%3D%3D
  • ISSN
    21865477
    03682781
  • PubMed
    9575353
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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