成人の急性乳様突起炎の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Acute mastoiditis in an adult
  • A report of a case

この論文をさがす

説明

急性乳様突起炎は小児における急性中耳炎の合併症としてよく知られる。近年抗生剤治療の発達に伴い、典型的な経過を持っ古典的な急性乳様突起炎は減少し、隠蔽型あるいは潜在型の乳様突起炎の報告が増えてきた。成人例では、本疾患は慢性中耳炎や真珠腫に続発するものが多いといわれる。われわれは基礎疾患のない、急性中耳炎に続発した、33歳男性の古典的な急性乳様突起炎を報告した。本症例は急性乳様突起炎の典型的な所見、すなわち乳様突起部の腫脹、耳介聲立、外耳道後上壁の腫脹を有していた。CTでは、真珠腫の合併が疑われ、鼓膜切開や抗生剤治療に抵抗するため、乳様突起単削開術を施行した。手術所見では真珠腫は認められず、乳様突起は肉芽で充満していた。そのため肉芽除去を行い、消炎後に二期的に創部を閉鎖した。患者は術後10日で退院した。本症例は真珠腫のない古典的な急性乳様突起炎と考えられた。

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ