メニエール病患者の失神

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タイトル別名
  • Syncope in patients with Meniere's disease

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説明

P. Ménièreは, その症例の中に, しばしば失神があったと記載している. はたしてメニエール病患者に失神が起こるか否かについて検討した.<BR>1980年から1989年の10年間にわが科を受診したメニエール病患者の中に, 失神したと言った症例が16例あった. これはメニエール病患者の0.4%に相当すると推定した.<BR>16例中3例には, 失神の原因とみられる器質的病変が見つかり, それぞれ脳梗塞, Adams-Stokes症候群, てんかんと診断された. 残る13例には器質的病変は見出せなかった. しかし発作の起り方や失神時の検査結果から, 血管迷走神経失神7例, 起立性低血圧6例と考えた. 失神後最初の受診日に, 眼振-偏倚に異常を示したものが15例 (94%) あった. 中枢性めまいを疑わせる所見, すなわち特殊な眼振, dysdiadochokinesis, 第八以外の脳神経症状は全くなかった.<BR>結論として, めまいはメニエール病の発作であり, 失神は脳梗塞, Adams-Stokes症候群, てんかん, 血管迷走神経失神, 起立性低血圧などであると考えた.

収録刊行物

  • 耳鼻と臨床

    耳鼻と臨床 37 (6), 1364-1374, 1991

    JIBI TO RINSHO KAI

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