急性低音障害型感音難聴の初期治療

書誌事項

タイトル別名
  • Initial treatment of acute low-tone sensorineural hearing loss
  • Is steroid administration necessary during the initial treatment?
  • -ステロイド剤使用の是非について-

この論文をさがす

説明

急性低音障害型感音難聴の初期治療におけるステロイド剤使用の是非を問うために、熊本県下7診療所において急性低音障害型感音難聴の初発例と診断された患者を、無作為選択によりATP製剤単独投与群 (A群) とATP製剤およびステロイド剤併用群 (B 群) とに分け、短期観察の治療効果を比較検討した。その結果、両群 (A群58例、B群 62例) 間において、患者背景因子 (初診時平均年齢、男女比、発症から受診までの平均日数、初診時低音3周波数の合計値) に有意差は認められなかった。治療開始1週間後の評価では、A群: 治癒59%、改善22%、不変・悪化19%。B群: 治癒45%、改善40%、不変・悪化15%。さらに4週間後の評価では、A群: 治癒76%、改善15%、不変・悪化 9%。B群: 治癒74%、改善21%、不変・悪化5%となり、いずれにおいても、両群間に統計学的有意差は認められなかった。従って、本疾患の初期治療にステロイド剤使用の必要性は低いと考えられる。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680477533440
  • NII論文ID
    130004405050
  • DOI
    10.11334/jibi1954.52.5_271
  • ISSN
    04477227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ